様々な取り組み

2024.09.11教育

不登校でも楽しく勉強できるカモ!

齋藤裕司さんは観音寺市で“楽”習塾Study Roomという学習塾を24年間にわたり経営されています。 そして、3年前からメタバース(仮想空間)で、不登校の生徒さんに向けて授業を行っています。

きっかけ

ある塾生が起立性調節障害で学校に通えなくなり、塾のZoomオンライン授業を受けて高校に進学しました。 この経験から、「学校に通えなくてもオンラインであれば勉強できる子どもたちがたくさんいるのでは?」と考えました。 また、「不登校の生徒さんはZoomで顔を出すのも嫌なのでは?」という思いから、アバターで参加できるメタバース授業を始めることにしました。

最初の生徒さん

場面緘黙症で小学4年生から学校に通っていない中学2年の生徒さん。 顔出しも声出しもNGで、アバターでの授業を開始しました。 教科は一番苦手な「理科」。 理科は齋藤先生の一番好きな教科で、YouTubeにも700本以上の動画をアップしています。 その動画を使って授業を開始しました。 コミュニケーション手段はアバターのリアクション、チャット、そして毎回一緒に参加してくださるお母様を通しての回答でした。

最初はぎこちなかったですが、だんだん慣れてくるとチャットやホワイトボードを使ってコミュニケーションも取れるようになりました。 途中からは笑い声も聞こえるようになり、一緒にメタバース内でハロウィンの仮装をして記念撮影をするなど、楽しい時間を過ごしました。 そして、2年間授業を続けた結果、彼女は「もっと学びたい!」と高校に通う決断をしました。 現在は高校の勉強でわからないところを何でも質問できる『メタバース家庭教師』として継続受講しています。

もう一組の生徒さん

小学4年生と小学2年生のごきょうだい。 30分ずつ交代で授業しています。 すべての教科の基礎となる漢字の読みに加えて、自分たちがやりたいところを勉強しています。

お兄ちゃんは今年6年生で、自分から時間を増やして勉強したいと30分+30分にしました。 彼は学校で英単語が読めなかったことが悔しかったようで、どうしたらよいか相談を受けました。 まずはローマ字から練習を始め、今ではかなりの英単語を読めるようになりました。

1年生の5月から学校に通っていない妹さん。 お母さんがアップしたこの記事をみてください。 そして、4年生になった今年の4月からは「勉強がしたい!」と学校に通い始めました。

メッセージ

学校に行くことがゴールではありません。 不登校であっても「学ぶことは楽しい!」と感じ、自発的に勉強できることが本当のゴールだと思っています。 学ぶことの楽しさを知り、自分のペースで学び続けることが大切です。 そして、不登校でも学ぶ方法はたくさんあることをみなさんに知ってほしいと思っています。

香川県で不登校の生徒、保護者をつなぐために発行された『ユニパスバンク』という冊子があります。 齋藤先生もその中で「不登校と学ぶ機会」について記事を書いています。 不登校で悩まれているすべての方に手に取ってほしい冊子です。

ここからダウンロードも可能です。 NPO法人 親の育ちサポートかがわ:ユニパスバンク

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